第18章  掛け違わされるボタン

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口元を綻ばせた彼女が、道路脇に止めた洒落た車に寄り掛かる男に 小走りに寄っていく。 しかも背の高いその男は、大きく笑顔を作って彼女を迎え、 その頭をポンポンと優しく撫でている。 そして、 「あっ……」 彼女は、彼にエスコートされるままに黒い車に乗り込んだ。 どうして?  誰?  どこ行くの? 言葉が頭を空回りし、心臓がバクバクして、追い掛けなきゃと思うのに 足が動かない。 でも――。 間もなく見知らぬ男性が運転席に乗り込み、 すぐに小さくエンジン音が聞こえた。 待ってっ!!
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