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口元を綻ばせた彼女が、道路脇に止めた洒落た車に寄り掛かる男に
小走りに寄っていく。
しかも背の高いその男は、大きく笑顔を作って彼女を迎え、
その頭をポンポンと優しく撫でている。
そして、
「あっ……」
彼女は、彼にエスコートされるままに黒い車に乗り込んだ。
どうして?
誰?
どこ行くの?
言葉が頭を空回りし、心臓がバクバクして、追い掛けなきゃと思うのに
足が動かない。
でも――。
間もなく見知らぬ男性が運転席に乗り込み、
すぐに小さくエンジン音が聞こえた。
待ってっ!!
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