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「どうしたの? こんな所で」
しかし尋ねた後、彼女がサッと顔色を変えた。
「カンちゃん、気分悪い?」
僕は、小さくかぶりを振った。すると、
「じゃ、ちょっと来て」
いきなり僕の手を引き、目の前のビルの一階にあるカフェに連れて行かれる。
「座ってて」
そして、壁側の席に促されるままに座り、少し呆然としていると、
間もなく、目の前に湯気を上げる白いカップがそっと置かれた。
少し焦点のぼやけた目を落とした先からは、
チョコレートの甘い香りが漂ってきた。
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