第18章  掛け違わされるボタン

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だが反面で、それならさっきの人は誰なのかと疑念が浮かんでくる。 そして、今さっき言われた言葉が耳に木霊(コダマ)する。 自分が、おかしいだけ――。 それって、もしかしたら別に好きな人が出来たってこと? しかし、そんな僕の心は、千奈美さんには見えていたようだ。 「ねぇ、カンちゃん。夏海は、そんな簡単に気持ちが変わったりしないよ?」 「えっ……?」 思わず目を見開き、彼女を見返した。
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