第18章  掛け違わされるボタン

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「そりゃ、友之さん……、前の彼とは、 ちょっと変な別れ方をすることになったし、 あまりにもタイミング良くカンちゃんが現れてくれたから、 彼女にしては気持ちが傾くのも、早かったと思う。 けど彼女は、誰かを好きになってる間に、他の誰かに目が行くような タイプじゃないよ?  それに夏海、すごくカンちゃんのこと好きになってたから」 だから、それは信じてあげて。 気持ちは、まだモヤモヤしたままだった。 だが僕は、千奈美さんの言葉に黙ってうなずいた。 そして、ナッちゃんの心がまだ僕にあるんだと 祈るような思いを胸に千奈美さんと別れた後、彼女から連絡があった。 冠汰、父が入院したの――。
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