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「そりゃ、友之さん……、前の彼とは、
ちょっと変な別れ方をすることになったし、
あまりにもタイミング良くカンちゃんが現れてくれたから、
彼女にしては気持ちが傾くのも、早かったと思う。
けど彼女は、誰かを好きになってる間に、他の誰かに目が行くような
タイプじゃないよ?
それに夏海、すごくカンちゃんのこと好きになってたから」
だから、それは信じてあげて。
気持ちは、まだモヤモヤしたままだった。
だが僕は、千奈美さんの言葉に黙ってうなずいた。
そして、ナッちゃんの心がまだ僕にあるんだと
祈るような思いを胸に千奈美さんと別れた後、彼女から連絡があった。
冠汰、父が入院したの――。
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