第18章  掛け違わされるボタン

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「なんだ、元気ないな?」 笑顔で歩み寄ったはずなのに 開口一番でそう言われ、頭をポンポンと撫でられる。 彼の名は、狭川(サガ)優弥(ユウヤ)。 私よりも四つ年上の彼は、自他ともに認める愛妻家で、二児の父。 しかし彼のいる日と、いない日では売上額が違うほど 女性ファンも多い、若々しい結構なイケメン店長。 つまり、私の研修時代の上司だ。 そして、研修でスイーツを選ぶ人間が少ないせいか、 本社に異動になっても尚、こちらに来る時は何かと気にかけ 時々誘ってくれる。
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