34人が本棚に入れています
本棚に追加
「だけどな、橘。誰だって、過去の一つや二つは持ってるもんだろ?
それに、たまたま元カノっていう存在から変なカマ掛けられて、
お前のまだ癒えきってない傷に、重なるものが生じたのも無理はないと思う」
そして、「けどな」と言葉を短く切って続けた。
「あんまり神経質には、なり過ぎるなよ。
たぶん今のお前は、彼から過去の話を聞こうが、
その女から彼の過去を聞こうが、
どっちも本当に聞こえて、どっちも嘘に聞こえるだろう。
だったら、お前が選んで、お前が信じられる事を見付けるしかない。
冷たいようだが、答えは、お前の心しか見つけられないものだからな」
最初のコメントを投稿しよう!