第17章  見えないカーテン(つづき)

9/10
前へ
/37ページ
次へ
でも、声が、言葉が、喉に引っ掛かって出てこない。 ナッちゃん、嫌だ。 僕のこと、僕の手、離さないで――! なのに、頭はどんどんパニックになって 益々、混乱する言葉だけが脳内を駆け巡る。 そして、そんな状態で押し黙る僕の耳に、彼女の声が言った。 「ごめんね、冠くん。また連絡するね」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加