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特典作品『逆菊』で、終わりに登場した『高川春門(たかがわのはるかど)』と垂加神道。
名前と喋り方から、春門が女性かと思われた方もいらしたでしょうが、残念ながら男性です。(笑)
なぜ職業が宮司になったのかは、第三編で紗英が菊和にのみ自分の過去を総て話している点と、春門のいる社(やしろ)は、市民に馴染みのある『稲荷神社』と言うことで、ある種自由に情報を得られるという点からです。
彼に関しては、師の尚松と同じく、再構成の過程で必要になった人物ですので、最終編ではそこそこ登場しますので、一応勘当状態ですが、彼の属している『垂加神道』について、解説を入れておきます。
あくまでも解説なので、興味のない方は、読み飛ばして頂いても大丈夫です。そのまま最終編へどうぞ。
■垂加(すいか)神道
別名儒家神道と呼ばれ、江戸初期に徳川幕府が推奨した『儒教』が流行し、儒教と神道が同一視され、神儒一致の神道説が登場します。
ちなみに『儒教』は、孔子の教えを中心にして成立した政治・道徳の思想と教説で朱子学とも呼ばれます。この辺りが、菊和の属する『伊勢神道』との違いです。
垂加神道は、儒教を取り入れた神道。
伊勢神道は、仏教を取り入れた上で、あくまでも仏は神の仮の姿と、外来宗教と距離を取ってます。
また、垂加神道は『儒学者』が確立したのに対し、伊勢神道は伊勢神宮の『神官』が確立した点でも異なります。
これは主観ですが、それだけ『神道』が広く国に浸透し、神道を『神話』ではなく『学問』として捉える人物が増えてきたのではないかと思います。
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