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「他の男と出来ないように?」
「そう。でも、おまえは気にしない
だろうな。」
「多分。わざと見せつけて嫉妬心を煽る。
そんな相手はいないけど。」
わたしの心も身体もずっとあなたのもの
だから。今も昔もわたしを歓ばせるのは
賢、あなただけ。
翌日、大学の同級生である檜山杏子が
部屋の片づけを手伝いに理美を訪ねて来た。
「ねぇ理美、この部屋、昔の理美の部屋と
ほとんど変わっていないじゃない。」
パイン材の家具も生成りの無地の
カーテンもたくさんの本もピカルディの
グラスも、二十代の理美の部屋にあった
ものだ。
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