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理美はひとりきりになれる時間と空間が
ないと窒息する。同じように夫にも譲れ
ないものがあったのかもしれない。それが
理解できるから夫の申し出に彼女は首を
縦に振った。
「それですっぱり別れられるのか。」
「相手が結論を出してる以上、何を
訊いても訊かなくても結果は同じでしょ。
問題が大きくなればその分疲れるから、
結果が変わらないならわたしは訊かない。
去るものは追わないの。賢も
そうだったんじゃない?」
「俺は離婚届を突きつけられて署名した
だけだ。」
「二回とも?」
「そう。」
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