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「 イテッ 」
渡り廊下を右に曲がって小さい影にぶつかる 。
「 ごめんなさいっ 」
と下を向いたまま走り去ろうとする彼女はきっと相手が誰かなんて気付いていない 。
「 千晃 ? 」
腕を掴む俺をゆっくりと見上げる涙目が罪悪感をもたらす 。
引き止めてはいけなかった 、と 。
「 にっし 、」
何でだろうな 。
最近ずっと諦めようかなって
困らせてるだけなら離れようかなって
あまり会わないようにして
宇野ちゃんのことを見るようにして
気付いたのに 、宇野ちゃんへの気持ちに 。
なのにたったこの数分で一瞬で引き戻されるんだ目の前の彼女に 。
ずるいよ千晃は
俺は千晃を抱きしめた ──────────
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