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何やってんだろう、俺 。
どうしてこんな気持ちになったんだよ ?
「 わけわかんねー 」
「 えっ 」
後ろから聞こえた声にハッとして振り向くと
案の定そこにはキョトンとしている宇野ちゃんが居て 。
「 何でもないよ、ごめん 」
「 どうしたの ? 」
最近は前よりも確実に仲良くなって
彼女の中でも確実に存在はあるはず 。
なのに何でだろう、そこで満足している自分が居る 。
前までは貪欲で手に入れたくて仕方が無かったのに 。
「 どうしたんだろうな ... 」
力をなくした両足がガクンと折れてしゃがみ込む 。
相変わらずキョトン顔の宇野ちゃんは、ハッとすると俺の目線に合わせるようにしゃがむ 。
優しい目で俺を見ているけれど、
分かってる 。
「 困った顔を見たくなかったんだよ 」
だから連れ出したかった 。
けれど出来なかったのは、好きな奴は困らせてる宇野ちゃんのはずだから 。
一瞬躊躇って、伊藤を置いてきた 。
なんで俺こんなに伊藤 、伊藤って ...
「 秀太、片思いの後遺症だね 」
そう笑う彼女は、きっと ─────────
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