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いつものように目覚ましで目が覚める。 そうだ、今日は日直でいつもより家を出る時間が早いんだっけ。 目覚ましを早めにセットし忘れた私は、特に急ぐでもなく用意をして学校へ向かった。 「いってきまーす」 家には誰もいない。 両親は私が小さい頃から共働きで、朝早くに出勤するため出くわすことは少ないのだ。 だが、朝家を出る際に言葉を発することで気持ちの切り替えをするのが当たり前になっている。 7時18分。 いつもより40分ほど早い通学となるが、家を出ると隣に住んでいる幼なじみの蓮が立っていた。 「よぉ」 「なにしてんの?早すぎじゃない?」 「お前が日直のこと忘れてないかと思って迎えに来てやったんだよ感謝しやがれ」 「頼んでないし」 あぁそういえば蓮も一緒でクラスの日直なんだっけか。 そうだとわかっていたらもう少し寝ていたものを…… けど最近はお互い部活やらで忙しかったのもあり、2人でゆっくり会話するのは久しぶりだ。 「そういやおばさん達元気か?」 「んー、元気なんじゃないかなぁ、最近忙しいみたいで2人には会ってないや」 「そか、なら今晩飯くいに来いよ!母さん喜ぶし」 「蓮の家久々だ!行く行く、新しいゲーム用意しといてね!」 年頃の男女というものは高校生にでもなれば距離が遠くなると友達やテレビで見るが、私達は兄妹同然で過ごしてきたためなにも気にならない。 勉強面で頼れるお兄ちゃん、その他は全くできない馬鹿な弟…といった感じか。 .
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