カツアゲ

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「・・・一応、誰か名前とか住所とか教えてもらっとこうか。」 私達は、ちょっと顔を見合わせる。誰にする?的な。 「じゃあ僕。年長なんで。」 と言ってくれたれのんさんだったが、1つ問題が。 「あ、住所I市なんですけどいいですか?」 やっぱり笑いを噛み殺す私達。 現在地は東京都内。 I市は千葉県のわりと奥。 電車を乗り継いで1時間半近くかかる。 (同じくらいの時間があれば、千葉の西の方の駅から、東京を通り越して横浜くらいまで行けてしまう。) 「I市か・・・」 だいぶ面倒そうなおまわりさん。 そりゃそーだ。 わざわざ駆け付けたら、いい大人が「だるまさんがころんだ!」とか言ってて、形式上身分確認しようとしたら、えらく遠い地名が出てきた。 おちょくられていると思われても仕方がない。 が、私達は真摯に対応しようとしていた。 あまりのアホな出来事に、笑いは隠し切れないが。
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