2017 虹始見

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教室へ歩き始めるけど、すれ違う同級生たちのまとわりつく視線にドキドキする。 園田や鈴木は学年の人気者だ。1年の時から目立ってたし、男子の中には意識し過ぎてしまう人もいるくらい美しい。 「園田さんと鈴木さんって…… 「園ちゃん。」 「鈴ちゃん。」 ふたりが両脇から強い視線を浴びせた。うっ。目が本気と書いてマジ。 「ほら桐ちゃん呼んで?」 「早く早く♪」 廊下の隅に追いつめられちゃった。壁ドンWが美女ふたりって、ある意味ゼイタクかも。 「園ちゃん。」 よしよしと頭を撫でる園ちゃん。 「鈴ちゃん。」 ポンポン肩を叩く鈴ちゃん。 「桐ちゃん教室行こ?」 「えっ、ふたりとも3組?」 満面の笑みで頷き、窓側の席を確保しようとダッシュした。 教室のドアは予め開いていた。 「ええっ?イマドキ決まった席なんてダサっ。」 鈴ちゃんが眉間に皺を寄せたのがカワイイ。園ちゃんが指差した黒板を見ると、出席番号順に座れと書いてあった。 わたしの席は後ろから2番目。わたしの次に小林さんが座ると、鈴ちゃんが最前列となり、その後ろが園ちゃんになっていた。 「桐ちゃんこっちこっち。」 「遊びに来てよ?」 ひらひら手を動かしながら、わたしを呼ぶしぐさが嬉しい。リュックを置いて側に行くと、話が続いて途切れることがなかった。 「高1ん時ボッチだったでしょ?ずっと桐ちゃんに興味あんの。ね?明日学食行こ?」 ふたりの勢いにのまれて学食に行く約束をしたら、チャイムが鳴った。
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