1 生きてる光と死んでるひかる

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 起きていると、そのあいだずっと、光が自殺したくなるのを待っているひかるを、そのわくわくしている顔を、見ていなければならないから。   「こんなに出しっぱなしにして。学校から帰ってきたら、ちゃんと片づけなさいよ」  お母さんは、ベッドの枕元や床の上に散らばったマンガのコミックスを、ぱたぱたとてきとうに積み重ねた。   「今はこのままでいいわ。片づけてたら、学校に遅れちゃうもの。そのかわり、晩ご飯までにきちんと片づけておかなかったら、このマンガ、全部捨てちゃうからね。ゲーム機も、テレビにつなぎっぱなしにしてたらいけないって、いつも言ってるじゃない!」  ――そんなばかな!    ゆうべ、マンガなんか読んでいたおぼえはない。まして、ゲームなんて。  そう考え、光はようやく気がついた。    天井のほうを、ぱっと見上げる。  やはりそこには、きれいなロングヘアのひかるが、半透明の姿でふわふわ浮いていた。   「や。おはよ」  にっこり笑いながら、その顔はどこか眠たそうだ。    ――ひかるっ!  どなろうとして、光はあわてて口をおさえた。    ちょっと不思議そうな顔をして、お母さんが光を見ている。  お母さんは、ひかるの存在にまったく気がついてない。   「お、お母さん! もう出てってよ! ぼく、着替えるから!」 「光?」 「ほら、早く! 急がないとほんとに遅刻しちゃうってば!」  光は、お母さんの背中を押すようにして、むりやり部屋の外へ追い出した。    ドアをしっかりと閉め、それから部屋の中へ向き直る。   「――ひかる!」 「なによ。目上の人間を呼び捨て!?」 「ひかるは人間じゃないだろ、幽霊じゃんか!」  いや、そんなことはどうでもいい。 「ゆうべ、ぼくのからだを勝手に使ったろ!?」  ひかるは、にらみつける光と目を合わせないよう、しらじらしく視線をそらした。   「ぼくが寝てるあいだ、ぼくのからだに入って、ゲームしたりマンガ読んだり、一晩中遊んでたんだろ!?」 「だってさあ、おもしろそうだったんだもん、そのマンガ」  今度は完全に開き直り、ひかるは言った。   「あんたが持ってるゲームも、あたし、やったことないやつばっかだったし。ねえ、そのゲームのさ、3面がどうしてもクリアできないのよ。あとでやり方、教えて?」 「か、勝手なことばっか、言うなよッ!!」  光は思わず大声を出した。    すると、
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