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だが僕は、これで確信した。
「美佳さん。僕は、彼女を傷つけるものを許しませんから」
「なぁーに? 藪から棒に」
そして、ちょうど赤信号の横断歩道の手前で足が止まった時、
僕は、真っ直ぐに美佳さんに目を向けた。
「彼女は、必ず僕が守ります」
ふっ……。
美佳さんは、真っ赤な唇の端を上げて短く笑った。
そして、
「冠汰も、そんな顔するようになったんだ」
信号が変わると同時に、僕よりも少し前を歩きだした。
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