第19章  モ ズ(つづき)

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まるで、自分の獲物を誇示する肉食獣のような目。 それに見据えられ、私は、ちょっと声が出なくなる。 そして、彼女が座っていた場所の目の前から出て来た人の姿に、 私は更に声をなくした。 「美佳さん?」 耳に馴染む、よく知った声。 しなやかな細い長身に、よく知る大きな手。 そして、ふんわりとした陽だまりのような微笑み。 どれも、これも、私のよく知っている冠くんなはずなのに 彼の声が呼んだのは、彼女の名前。 目の前が暗くなるような衝撃に、気付いた時には駆けだしていた。
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