第19章  モ ズ(つづき)

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週末で賑わう広めの歩道をさんざめく人影に 見え隠れする彼女の背中を見詰めて、必死で追う。 本当は、もっと声をかけて呼び止めたい。 でも、そんな事をすれば、益々彼女が逃げそうで声が出ない。 早く。もっと早くっ! 歩道で楽しむ人々とぶつかりそうになりながら、僕は彼女の背中を追った。 そして、 「待って、ナッちゃん!」 肩で息をする彼女の腕を、ようやく掴むことができた。 そして彼女の前に回り込み、彼女を覗き込むようにして言う。 「お願い、誤解しないで。ちゃんと話させて」 途端、彼女の目から涙が溢れだした。
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