第19章  モ ズ(つづき)

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お待たせしました。 彼女は、同じ場所にスマホをいじりながら座っていた。 そして僕が声を掛けると、ゆっくりと立ち上がって 真っ赤な口角を少しだけ上げる。 「お姫様は、放り出してきちゃったわけ?」 だがそれに、僕は答えなかった。 「行きましょう」 短く彼女を促し歩き始めた僕は、 淡く吐息をついて僕の隣に来た彼女と歩きながら、胸の内で呟く。 彼女なら、やりかねない。 今更、目的なんか分からないし、 本当に彼女が、ナッちゃんに何かしたのかも分からない。 だが僕の予感が、変に疼く。
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