第21章  過 去(つづき)

1/5
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ

第21章  過 去(つづき)

相変わらずの、唐突な質問。 しかし、私は、素直に彼に答えた。 「両親は、父は普通のサラリーマンで、母は、お絵かき教室の先生。 それと八歳上に、双子の兄と姉がいる。 兄は、実家のある静岡で警察官やってて、姉は、小学校の先生で札幌にいる。 二人とも、もう結婚してるけどね。 ああ、そうだ。夏に、兄の所に姪っ子が生まれたな」 だが、「そう……」と呟くように言った冠くんが、また押し黙ってしまう。 しかし私は、彼の家族について尋ねるかを迷った。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!