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 今度こそ勝負がついたようね、シロンの勝ちだわ。  シロンを睨むライハルトの目は、燃えるような憎しみの色を湛えていた。だけどフイと顔をそらして黒色狼の所まで戻ると、突然、側にいたクラリッサの頬を殴ったのだ。 「なんて事するのよ! 八つ当たりもいいとこだわっ!」  頭に来たあたしは、ライハルトに詰め寄ろうとした。するとクラリッサはライハルトの前に立ち、赤く腫れた頬も構わずあたしに挑みかかる。 「余計なお世話よ、あなたには関係ないわ!」  その勢いに気圧されて、あたしは身をひいた。確かに他所のチームに干渉する権利はないかもしれない、だけどライハルトの行動はあまりに理不尽だ。 「あいつらは放っておけよ、先を急ぐぞ」  シロンは黒色狼に近付くと、ライハルトを無視して首に付けてあるエンブレムの革ベルトに手をかけた。脅すように低く唸った黒色狼は、桃猫が例の破鐘を坂から転がしたような鳴き声で一括した途端におとなしくなる。シロンが外したエンブレムは、あたしがポーチにしまっておいた。  エンブレムを外されたチームは、もう競技に参加できない。これはもう、あたし達の優勝は決まったようなもの……あれ? 何か忘れてるような気がするぞ。 「シロン……三階層を抜けたチームは、あたし達の『桃色猫』とライハルトの『黒色狼』、ロウの『灰色イタチ』だけ?」 「もう一組いる、たぶんオーギュの『青色一角獣』だ」
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