第三章 娘の声が聞こえる…

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「田中さん、麻衣は、娘はいじめにあってるのでしょうか?」 さっきまで帰りたくて仕方なかったのに、靴の中の画鋲を見て、まだ校内にいるであろう麻衣を必死に探していた。 「そうだろうね。普通、友達の靴に画鋲を入れる奴はいないだろうよ。しかもあんなにたくさんさ」 「早く、麻衣を見つけなくちゃ。人がいない学校で今頃ひどい目に合わされてるかもしれない。なんで、気が付かなかったんだろう。麻衣は一人で苦しんでたのに、何も知らずに『口聞いてくれなーい』なんて道端で泣いて、馬鹿だわ!母親失格だわ!」 「落ち着きなさい。あんたの場合、それも仕方ないよ」 「何が仕方ないものですか!これで、麻衣に何かあったら絶対に許さない…!いじめた奴も、私自身も…!」
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