眠りの森の薄目姫

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※眠り森の美女を先にお読みください。  16歳になった私は糸車の針で刺され永遠の眠りについた。  恐ろしい魔女呪いをかけたのだ。しかし、優しい魔女の魔法で眠り続けるのは100間となった。さらに姿は16歳の私である。けれども呪いを完全に解くには条件がある。  私がいるのは塔の上だ。棘を切り抜けやってくる勇敢な者のキスが条件だ。  何度も長い季節が流れ、私は目が覚めた。瞼だけ動かすことができた。  すると、扉が開いた。男は私の近くでひざまづいた。私はうっすらと目を開けた。  「なんて、美しい人なんだ  私は北の国の王子、あなたとお似合いのことでしょう」  そう言うと、私にキスをした。私は目を開けなかった。  「なぜ、目を開けないんだ  やはり、噂だったか」  北の国の王子は、肩を落とし部屋をでた。  なぜ、目を開けなかったのか。単純に私にもタイプと言うものがある。選ぶ権利があってもいいのではないか。  一生添い遂げる相手なのだ。もう少し様子をみても、いいだろう。  すぐに二人目が現れた。顔がタイプではなかった。  三人目は毛の多さが気になった。  何人か数えることもできないくらいの人が私のところへ現れた。わたしはそれをず薄めでみていた。今になって最初の王子が一番よかったのかなと思う。  それからも、私は薄目を開いては、目を閉じたのだった。    ハッピーエンドをお好みの方へ。    私が薄目を開く生活を続けて何年になろことか、姿は16歳のままである。  彼は、部屋に入ってくるなりいきなりシーツをめくり、ベッドに腰かけ私の頭を優しく撫でた。  「君、本当は起きてるんだろ  目がピクッて動いたよ」  声を出すことができない。私は合図するように瞬きをした。  「なるほど、薄目を開けて選んでたって訳だ」  ばれてしまった。すると彼座ったまま、膝の上で私をお姫様抱っこをした。  「その用心深さいいね」  彼はそういうと、顔を近づけて私の唇を覆った。私はこの瞬間に胸のときめきを感じた。  「どうだねお姫様、僕のところに来ないかい?  白黒の牛が外に待ってるよ  乗ってくかい?」  私はねだるようにじっと彼の瞳を見つめた。  「そうか、肝心なことを忘れてたよ  君を愛してる、100年前からずっと  僕と来てくれるかい?」  「喜んで  100年ずっとあなたを愛してたわ」
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