嘘つきは眼鏡の始まり

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仕事が終わり、家でまったりしながらTL(タイムラン)を追っていく。 “遅ればせながら今回の芥川賞作品、買いました。 早く読みたいです”   柊さんの呟きを見つけてにんまり。 画面に指を走らせてリプする。 少し前、好みの作家さん検索してて見つけた柊さん。 読んでる本も私の好みに近いし、なにより知的な雰囲気が好きで、フォローした。 “私も先日、会社帰りに購入しました”   今回、芥川賞を受賞したのは、 「小説家になりたい」 と突然引退した、歌手の処女作だ。 話題騒然で出版されてすぐ品切れし、初版本は幻とまで云われてる。 そのまま、またTLを追っていると通知音。 “帰ったら食事も忘れて読みふけりそうで怖いです”   あー、確かに。 “ちゃんとごはんは食べてくださいね。 読み終わったら感想、聞かせてください”
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