嘘つきは眼鏡の始まり

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それに私も、木の花を演じてた。 ……途中からはそれが、自然になってたけど。 柊人さんが好きだった。 ほんとは今日、告白するつもりだった。 でも聖夜さんは? キラキラ星が飛ぶ聖夜さんは眩しくて苦手だった。 苦手だったけど嫌いではない。 むしろ、……気にしてた。 それに、今日、結局来たのは。 「やっぱりよくわかんないです。 でも、星名さんとこのまま、気まずいまま終わってしまうのも嫌です。 だから、……柊人さんとして出会ったとこからやり直さないですか?」 「出会ったとこから?」 「はい。 ……初めまして、木の花こと花崎ミサ、です。 今日はお会いできて嬉しいです」 にっこりと笑ってレンズの向こうをじっと見つめる。 ふっと軽く笑う音が聞こえたかと思ったら、じっと見つめられた。
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