嘘つきは眼鏡の始まり

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申し訳なさげに気遣われるとますます理想の男性に近くて、熱くなった顔に気付かれないようにカップを口に運ぶ。 暖房のきいた店内に、アイスティにすればよかったと後悔してた。 しばらくさっき買った本の話などしていると、云いづらそうに柊さんが聞いてきた。 「その。 ……聖夜は会社ではどうですか?」 「え?」 「兄弟で近くに住んでるっていっても、普段ほとんど交流がないんです。 仲が悪い訳じゃないんですが、こう、なんとなく。 でも、やっぱり気になるっていうか」 困ったように笑う柊さん。 弟思い、なんですね。 「その、仕事はちゃんとやってますけど、軽いっていうか柊さんと違ってチャラい、ですね」 「……やはりそうですか」 柊さんは苦笑いしてる。 お兄さんからみてもそうなんですね。
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