新たな門出。

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皆さんはホストってどう思いますか? とても偏見されがちですよね。 まぁ結局女を食い物にして生きてるんやろ? って思われたり言われたりしてきました。 でもね、売れてないときってホンマにしんどいですよ。 僕がホストになったのは12月3日。 当時21歳。 それまでの僕は大阪の泉南市という田舎で板前をしてて、結婚目前で破局。 原因はお金。 子供が出来たことが発覚したがお金が原因で毎日ケンカの日々。 自分は母親しかおらず、1人っ子。 その母親と結婚相手は犬猿の仲。 母親に、親を取るか結婚相手を取るか問い詰められた。 そして結婚相手を取ったがそこからケンカの日々。 あげくの果てに流産。 吹っ切れたかのように浮気をされた。 もう何が何かわからず、帰る場所もない。 そもそも今までお金で不自由なんてしないぐらい甘やかされて育ってきた僕は、初めてお金で苦労して辛すぎて仕事が手につかず、何もする気がなくなった。 初めて感じた無力感とお金のない自分への劣等感。 そして東京へ逃避行。 何もかも一からしたいと思い、携帯をぶっ壊して、野宿覚悟で有り金10万握りしめた。 最初は気分転換のつもりやった。 もしホストになっても売り上げなんてすぐ上がると思っていた。モデルもしたかったし、夢はいっぱいあった。 そして新幹線で東京駅に着いた。 新宿まで歩いて5分ぐらいと思った。 でもわからない。 携帯もない。 ご飯も食べてなかったからモーニングへ。 そこで店員さんが教えてくれた。 山手線のことを。 無知すぎた。 そして新宿に着いた。 朝9時半、人気は少ないが僕の住んでた町よりはるかに人が多い。 携帯もない。 お金もない。 どこに行けばいいかもわからない。 そんな時に一人のスカウトが声をかけてきた。 「朝キャバどうですか?」 今思えば丸坊主のスーツ姿の僕によく声をかけてきたなと思う。 僕は、 「お金ないんで、仕事紹介してくれませんか?」 そう言うとすぐ代表に電話してくれた。 その夕方面接。 ホストやるくせに携帯持ってない。 お金もないし、荷物もない。 僕は知らなかった。 ホストの体入荒らしや、ホストの寮に入って物を盗んで逃げるやつがいる事を。 ましてや、ホストの坊主は何かやらかした証という事も。 普通に考えたらまず採用しない。 でもそこの代表は僕のいう事を全部信じてくれた。 そしてこころよくその日から寮に入れてくれた 続く。
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