夏の終わり

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「うん。あ、頼まれてた資料、出来てるの。 こーちゃんを欲しがってるチームが多くて 驚いた。」 杏奈はサイドテーブルの引き出しから ファイルを取り出し、洸一に手渡した。 ファイルは発信者毎に受け取った文書が 見易くまとめられ、受信した日付順の 一覧表と主な内容のグラフも入っていた。 グラフを見れば相手が洸一に連絡して来る 理由とその割合、経時的変化がすぐわかる。 「さすがだね、杏奈。完璧だ。これだけの 能力を外で生かさないのは勿体ない。」 「当分無理だよ。自分の時間が持てる頃 にはあたしの知識や技術は時代遅れに なってるかもしれない。」
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