夏の終わり

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「…。」 洸一は言葉を失った。杏奈には時々 驚かされるが、彼女の意見には一理ある。 だが、会社を辞めて独立して、選手として やって行けるのだろうか。妻と二人の子を 養って行けるだろうか。これまでに得た 賞金や報奨金は決して少ない額ではない。 しかし、それは退職金の前払いのような ものだ。 「こーちゃん、あたしや悠汰を養うことを 考えないで、やりたいことを選んで。」 「え?」 「自分の食い扶持は自分で稼ぐから。」 「何言ってるんだ。」
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