夏の終わり

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「強気ね。」 「自分のコンディションの整え方は自分が 一番よく知っている。この歳とキャリア なら、当然。」 「次のレースに勝てなかったら叩かれる わよ。」 「家族としての責任を果たしてるだけだ、 いくら叩かれたって平気です。それじゃ もう一本走りますから。」 洸一は不敵に微笑み、グラウンドから走り 去った。 京は短く溜め息をついた。妻を大切にする 洸一の姿が眩しかった。彼はごく自然に 自分が当たり前だと思うことをやって のける。
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