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杏奈は結局八月に入るまで常に吐き気に
襲われて食事らしい食事ができなかった。
喉を通るのは海草と果物ぐらいで、自分
でも大丈夫なのか心配になるほどだった。
ところが、今度は一転して空腹感に
悩まされた。
寝室で横になっていると洸一が麦茶を
持って来た。
「ありがとう。」
「だるいのは取れないみたいだね。」
「うん。すぐに横になりたくなる。でも、
気持ち悪いのがなくなっただけ楽になった。」
「君はずっと忙しかったから。」
「あれは何だったんだろう。デトックスか
何かかな。」
「ひとまず安心したけど、今度は真逆って
不思議だね。」
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