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恵里と沙希は昼休みの昼食は学食で取ることになった。二人とも弁当を持ってきていたのだが、沙希が早弁したため食堂に来るハメになったのである。
「あんた何ギャルゲみたいなプロフを勝手に作ってるのよ」
ハンバーグ定食をテーブルに置くと恵里のスマホの画面が見えてしまったのだ。
「つい暇で」
恵里の笑顔にツッコミを入れたくなるが、席に着くことを優先した。それからツッコミだ。
「あたしはそんなに乱暴じゃないよ」
恵里も弁当を広げた。小ぶりな弁当箱に種類を優先した詰め込み方。彩りも鮮やかだ。
「つまり、Mっ娘であると」
「極端ね。1と0しか無いの?」
「私の嫁達は二次元よ」
「デジタルが二進数だからって、巧いこと言ったつもり? そんなこと言ってると、今組んでるパソコンはグラボ抜きね」
「沙希様、私が悪ぅございました」
半導体メーカーに勤める父の影響でPCの知識があるため、恵里に自作PCの依頼を受けていたのだ。
グラボとはグラフィックボードの略で、グラフィックに係る処理をメインのCPUに代わって処理する拡張ボードの事である。
無くても問題は無いが、動画の画質やゲームの動きの滑らかさを良くしたいなら必須のパーツである。つまり、ゲームや動画を見る恵里の使い方ならば絶対に欠かすことが出来ないパーツだ。
「アレが無いと乳揺れに躍動感が生まれないの」
「真面目な顔をして何をアホなこと言ってるのよ」
冷めないうちにハンバーグに箸を入れた。肉汁など期待していない。
「乳揺れなら鏡を見れば事足りるでしょ? モデルやってるくらいスタイル良いんだから」
「嫁の乳揺れが見たいの。自分のが揺れようがポロリしようがどうでも良い」
「そんな台詞言ってみたい」
一口大に切ったハンバーグを口に運んだ。ソースの味が安物の肉に彩りを加え、白米の味を豊かにする。
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