SS.2「古き思い出」

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夏休みに入り、長距離選手である沙希にはキツい気温が続いていた。 部活では一日に2Lのペットボトルを消費するのだから、脱水症状には本当に気をつけなければならない。 ハーフマラソンの距離を走り終え、部室で休憩に入る。冷蔵庫のペットボトルをラッパ飲みする。 「…………」 おもむろに開いた恵里からのメールに言葉を失う。 『ちっぱいでもノーブラって擦れて気持ちいいの?』 返信のメールに文字を打ち込んでいく。 『したこと無いから知らない。暑さで頭イった?』 ペットボトルの蓋を閉めると、すぐに返信が来た。 『嫁はイった』 あの残念な秀才さんはエロゲーをたしなんでいるようだ。18歳になってから堂々と買えるのでさらにエスカレートしている。 イベントも近いのに、準備は滞っていないだろうか。 『ちなみに、準備は万端よ。衣装も出来てる。あとは羞恥心を捨てれば』 ちょっと待て。途端にイヤな予感がする。裸同然のコスでもするのだろうか。場合によっては止める必要がある。 沙希は一緒に行くと言ったことを後悔と緊張をしはじめた。
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