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それから一時間後、戒斗の乗った飛行機は地を離れた。
「泣くのって、我慢しなくていいのよ」
デッキで隣に並んでいた詩乃が声をかけた。
ふたりの後ろに隼斗が控えている。
「さっき、泣いてきたから大丈夫です」
「そう?」
「はい。それに、戒斗には未練たらたらで行ってもらいましたから!」
詩乃はくすくすと笑いだした。
ありがとう、は、さよなら、じゃない。
地獄の底だろうが、夢の中だろうが――地獄の底からだって。
迎えにいってやる。
その言葉があれば、あたしもがんばれるよ。
戒斗、いってらっしゃい。
-Will be continued in the Episode 13.-
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