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「こんばんは! 孔明さん、なんだか大勢になりましたね」
「戒が来るって云うし、この際、連れてきた」
『この際』とはどの際なのか、孔明は思惑ありげに口を歪めた。
孔明の戒斗に対する呼び方が、“戒斗さん”から“戒”に変わっていると気づいたのは、この食事会の誘いのときだ。
今日はオーバーに云えば、叶多主役の祝賀会だ。
孔明の主催で、里佳が来ると聞けば、ユナたちも参加していいかということになってこのメンバーが集まった。
「“一生のうちにあるかないか”、の叶多のデビューだからね」
里佳は変わらず毒気を含んで揶揄した。
それに乗った陽がせせら笑う。
陽は『打ん殴る』と過激だったわりに、最近なんとなく叶多をちゃかすことに関して里佳と意気投合しているように見えるのは気のせいだろうか。
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