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案内した店員が出ていき、戸が閉められると喧騒は少し治まったけれど、入れ替わり立ち代わりで別の店員がやってきて、しばらくはわさわさとした。
前もって注文していたらしい料理と飲み物が次々と運ばれてきて、テーブルの上にずらりと並ぶ。
「これ、なんですか。あたしのだけ違うんですけど」
孔明の指示で店員が飲み物を置くなか、叶多の前にはみんなとは違う形のグラスが置かれた。
どう見てもコーヒー牛乳っぽいのに、グラスは細い三角すいを逆さまにした形で、ユナたちのドテッとした形と違ってお洒落だ。
「カルーアミルクだ」
「え?」
「リキュールベースのカクテルだよ。二十才になったんだし、お酒飲めるだろう? これは甘いから無難かなって孔明と話してさ」
「叶っちゃんとお酒飲める日が来るって想像つかなかったんだけどね」
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