第28章  新しい年(つづき)

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新幹線を降りた僕たちは、在来線に乗り換える。 そして最寄りの駅に到着すると、 そこで、髪の短い優しそうな女性に迎えられた。 「夏海ちゃん」 声を掛けてきた彼女に、僕の隣でナッちゃんが大きく笑顔になって手を振る。 「お義姉さんが、来てくれたの?」 「うん。道彦さんがね、自分が行くよりも同じ立場の私の方が 気が楽だろうって」 「へぇ。お兄ちゃんが、そんな事言ったの?」 「結菜(ユウナ)が生まれてからね、 なんかそいう所、ちょっと細やかになったみたい」 それに、彼女たち二人が「ふふっ」と声を揃えて細く笑う。 そして彼女の笑顔が、隣の僕に戻ってきた。
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