第28章  新しい年(つづき)

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「冠くん、紹介するね。こちら、兄のお嫁さんの美里さん。 美里さん、こちらがこの前話した近江 冠汰さん」 初めまして。 思わず口にした挨拶が、美里さんと重なった。 それにちょっと慌てた僕の目の前で、彼女は、可笑しそうに小さく笑う。 そして、 「私も、冠汰くんって呼んでもいいですか?  あっ、最初から馴れ馴れしすぎるかな……」 「あっ、いえ、全然……」 こんな風に気さくに迎え入れられ、少しだけ僕の気持ちも楽になる。 そして、ナッちゃんが言った通り、彼女の家族は 僕の不安を、あっという間に包み込むほど温かく迎えてくれた。
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