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「まぁ、まぁ。遠い所を、よくお出でくださいましたねぇ」
玄関で迎えてくれた初老の女性は、笑顔が、どこかナッちゃんに似ていた。
「さぁ、上がってくださいな」
なんかいそいそとした感じで迎え入れられ、案内された先では
初老の男性が待っていてくれる。
だが、すぐにお父さんと分かるその人を前に
にわかに僕の緊張が蘇ってきた。
「あ、あの……」
言葉を口にしかける僕の胸で、鼓動がどんどん速くなって、
なんだか今にも口から飛び出してきそうに感じる。
しかし、そんな部屋の入り口で立ち竦むようになった僕を、
ナッちゃんが、そっと促してきた。
「冠くん、とにかく入って?」
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