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「……うん。実はね、この前蓮に言われたの。仕事が落ち着いたら、そろそろ本格的に結婚を視野に入れるって」
「「ええっ!?嘘!?」」
すると、美咲ちゃんのまさかの爆弾発言に、私と静ちゃんは思わず声を大にして叫んだ。
その瞬間、周囲の視線が一気に私達へと集中し、私と静ちゃんはその場を誤魔化すように咳払いをする。
「驚いた。……ていうか、流石蓮君だね。やっぱり、ちゃんと将来を見据えて美咲ちゃんのこと真剣に考えているんだ」
私は心底感心した様子で、未だ興奮が収まらない気持ちを鎮める為にお冷を一杯口にした。
「うん。本当に、私はつくづく蓮のことを好きでいて良かったと思う」
そういう美咲ちゃんは頬を赤く染めながら、とても幸せそうに微笑んだ。
……羨ましい。
その笑顔を見て真っ先にそう思った。
あれから、蓮君とは良き男友達として今でも交流を保ち続けていて、時たま相談相手にもなってくれる。
私達の間にあったあの時の蟠りは初めから無かったかのように、今ではとても良好な関係を築き上げ、静ちゃん達に続いて掛け替えのない存在となっていた。
そんな蓮君の人柄は相変わらず素敵で格好良く、そんな人が旦那様になってくれれば、美咲ちゃんの将来はきっと安泰を約束されるだろう。
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