[芹香編] 第5章 芹香side

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「許してくれちゃうんだ、俺のこと」 「うん。ねえ、昂さん」 「なに?」 「好きかも」 「なにが?」 「…昂さんのこと」 長い長い沈黙。 そして昂さんも華子ちゃんを真似て言う。 「きっ、聞こえなかったからもう一回」 「嘘、絶対に聞こえてたよね?」 「聴覚的には入ってきたのかもしれない。 でも、意識が飛んでたんだよ。 心の準備したから改めて、ね?」 「ああん、もう。一回だけだよ」 耳打ちしようと思ったら、 真正面に顔を近づけてきて、 それをさせてくれない。 仕方なく覚悟を決めて言った。 「昂さんが好き」 「俺も芹香ちゃんが好き、大好き」 「私も大好き」 「俺も大大大…」 その後の言葉は聞けなかった。 私が唇で塞いだから。 「きゃあ、芹香さんたちキスしてるッ」 「こ、こら華子。俺らは部屋に戻るぞ」 気を利かせて西村さんと華子ちゃんは、 リビングを出て行った。 後に残った私たちは、 骨が折れそうなほど互いを抱き締め合い、 長い長いキスをした…。
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