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「お父さん、お母さん?!」
「華子ッ!!」
キャアキャアうるさい。
女子高生が3人になったような賑わいだ。
ポツンと立ち尽くす私に、
3人が一斉に話し掛けて来る。
「あ!『一度ご挨拶に伺わなくちゃ』と、
お母さんから電話きてたんだった」
「少しだけお邪魔してもいいですか?」
「和哉と華子がお世話になってます。
これ、つまらないものですけど、
めし、めしぁがッ、召し上ぐッ」
西村父、普段使い慣れない言葉を使用し、
自滅したの巻。
しかも家族は華麗にスルーしてたりして。
せっかく来ていただいたのに、
このまま帰すのも悪いし…という目で
昂さんを見ると、彼は静かに頷く。
「俺の用件は今日中に行けばいいから。
西村さんのご両親を迎えてあげて」
「…えと、うん」
スリッパを用意する際に、
華子ちゃんが父親の雪駄に気付き、爆笑。
「お父さん、勇者だわ。
一昨日、雪が降ったの知ってる?」
「いやいや、車で来たんだけどさ、
運転をお母さんに任せたら、
足元が留守になっちゃってな」
そ、そんな理由??
私と昂さんはひたすら驚いているのに、
西村一家は陽気に笑うばかり。
「ゲッ!!義父さんと母さん??
そんな格好してどうしたのさ」
あまりの賑やかさに、
2階から西村さんが降りて来て、
リビングで大集結となったのだ。
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