[芹香編] 第5章 芹香side

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「お父さん、お母さん?!」 「華子ッ!!」 キャアキャアうるさい。 女子高生が3人になったような賑わいだ。 ポツンと立ち尽くす私に、 3人が一斉に話し掛けて来る。 「あ!『一度ご挨拶に伺わなくちゃ』と、 お母さんから電話きてたんだった」 「少しだけお邪魔してもいいですか?」 「和哉と華子がお世話になってます。 これ、つまらないものですけど、 めし、めしぁがッ、召し上ぐッ」 西村父、普段使い慣れない言葉を使用し、 自滅したの巻。 しかも家族は華麗にスルーしてたりして。 せっかく来ていただいたのに、 このまま帰すのも悪いし…という目で 昂さんを見ると、彼は静かに頷く。 「俺の用件は今日中に行けばいいから。 西村さんのご両親を迎えてあげて」 「…えと、うん」 スリッパを用意する際に、 華子ちゃんが父親の雪駄に気付き、爆笑。 「お父さん、勇者だわ。 一昨日、雪が降ったの知ってる?」 「いやいや、車で来たんだけどさ、 運転をお母さんに任せたら、 足元が留守になっちゃってな」 そ、そんな理由?? 私と昂さんはひたすら驚いているのに、 西村一家は陽気に笑うばかり。 「ゲッ!!義父さんと母さん?? そんな格好してどうしたのさ」 あまりの賑やかさに、 2階から西村さんが降りて来て、 リビングで大集結となったのだ。
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