プロローグ 地球へ……

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宇宙観測隊、観測隊と言う名を冠してはいるが、実際は宇宙の秩序を守る観測員の仕事に公安と憲兵の役割を持たせた組織。 その組織の観測員が今最も目を光らせているのが、ヘリオ太陽系の第三惑星、ガイア…(まあ地球の事っす)。ここは既に数名の観測員が常駐してると言ったが、妙なのだ。その観測員に誰一人として連絡がつかない。 それどころか、ガイアにやってくる怪獣、宇宙人、ガイアの環境破壊により生まれた怪生物が次々と現れていると言うのに、観測員が誰一人として現れないのだ。私はそれらをどうにか退けるなり追い払うなりしようとしているのだが、ウル〇ラセブン宜しくな過労状態でろくに戦えない。 と言うかガイアの国家日本に降り立ったのが間違いだったのか…最も怪獣が現れるのが島国と言うのもあれだったが、日本の防衛軍は制約が多すぎて全く動けない事…戦闘能力は世界一なのに、何だか市民団体や現政府が革新派で防衛軍の動きを阻害しているように思える。やられ放題の人々を見ていられなくなった私は、やむ無く姿を現して戦う事になった。 分かった事がある。私が現れてから、政府の連中が防衛軍を展開する旨の話をしていたようで、何処からか防衛軍の戦闘機が数機飛んできたのだ。目の前にいるゴj…ゴm…ゴジモと言う怪獣に対峙しながら、私は戦うのに躊躇していた。私がもし、母星と同様に走り回ったとしたら、都市機能は壊滅するだろう。何せ私の体重は8万t、振動で犠牲者を出しかねないのだ。 くっ、やはり戦わねばならない。奴はその巨大な尻尾で凪ぎ払いを見舞った。家屋やビルが破壊され、数百人もの死者が出た。私は腹を決めた。被害を恐れていても奴が暴れれば結果的に街は崩壊する。ならば答えは1つ… 『ディイアアア、ダァッ!』 私は荷電粒子の熱線、エイトブラストをゴジモへと放った。光線温度160万℃の奔流を受けた奴は、その反動で空に浮き上がり、爆散した。 戦いには勝利したが、それからまもなく、謎のプラカード集団が私を責め立てるデモ活動を開始したのだ。私はその時、観測隊が何故姿を現さなかったのか、悟ってしまった。 →
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