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大学が決まって高校卒業が間近に迫った頃、僕は玲奈に自分の気持ちを伝える最後のチャンスだと思っていた。
でも玲奈と僕は、お互いに知りすぎていて僕が告白すると、また以前のように玲奈から、
「冗談でしょ!」
と言われそうな気がして怖かった。
僕は、玲奈に何とか自分の気持ちを伝えようとしたけれど、何もできないまま卒業式当日を迎えてしまった。
卒業式当日、式が終わって自宅に帰る時に、僕は何とか玲奈を呼びとめて話しかけることができた。
僕は、ここで玲奈に自分の気持ちを伝えなければ…と自分自身に言い聞かせていたけれど、結局勇気が出なくて当たり障りのない事しか言えなかった。
「玲奈、東京に行っても元気に頑張ってね!」
玲奈も笑顔で、
「ひろ、お互いに頑張ろうね!」
と声をかけてくれた。
僕は玲奈のこの一言が、とても嬉しかった。
こうして、僕の高校のせつない青春時代は幕を閉じた。
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