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翌日の朝、同じクラスの黒崎君に玲奈から預かった手紙を渡した。
黒崎君が、
「誰?」
と言ったので、僕は、
「隣の3年B組の女子で、吹奏楽部だよ!」
と教えてあげた。
黒崎君は、
「ありがとね!」
と言って、この場は終わった。
さらに翌日、黒崎君から話しかけられた。
「玲奈っていう女子のこと知ってる?」
僕は、吹奏楽部で一緒だという話をすると、黒崎君は僕に手紙を渡しながら、
「これを渡してもらえないかな?」
と言われたので、拒否する理由もなかった僕は、
「いいよ、今日部活の時に渡しておくよ!」
と返事をした。
授業が終わって部活に行くと、部室に玲奈がいたので、さっそく黒崎君から預かった手紙を渡した。
すると、玲奈は笑顔になって、
「ありがとう!」
と言った。
僕は、何となく空しくて淋しい気持ちになった。
この日の僕は、まったく部活をやる気が出ず、早く帰りたいと思いながら楽器を演奏していた。
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