第六章

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「何だそれ! あ、いや確かに最初園山と仲良くなろうとしたのはその通りで、そう言ってくれたのも優梨だけど、あの時はもうそんな事どうでもよくて、素直にお前と仲良くなりたいって思ってた! 優梨が誤解してたんだろ」  その言葉にショックを受けた園山は祥の家を飛び出した、という訳だ。  だがあの時優梨は、園山は急用で帰ったと言っていた。なぜ嘘をついたのだろうか。 「あれ、結構心に刺さったというか……。俺、井瀬塚に嫌われてるのかもって思って……」 「それで学校来なかったのか?」 「うん……失恋なんかで学校休んで、自分でもバカだなって思ったけど、本当に、どうしたらいいか、分からなくて……」  自分はそんな園山の所に押しかけてしまったのか、と少し後悔した。  あの時祥がおこなったことは、園山の心の傷を抉るようなことだったのだろうか。 「でも、急に井瀬塚がうちに来てびっくりしたよ。そのとき思ったんだ。これで最後にしようって」 「最後?」 「うん。井瀬塚に好かれてないなら、俺が好きだって思っていても迷惑になる。一回だけやって思いっきり嫌われれば、井瀬塚に話しかけられなくなるだろうし、俺も諦めがつくと思って。ごめん、怖かったよね」
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