第六章

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「あぁ。お前の苦労なんて、俺には分かんないかもな……。でも今みたいに言ってくれなきゃ、余計分かんねーんだよ。もっとお前の声を聞かせろッ!」 「……」  園山は顔を背けようとする。だがその前に祥の手が出た。 「いつまでこんなモン付けてんだ。とっとと外せ!」  祥はヘッドホンを剥ぎ取ると、それを地面に叩きつける。 「! ちょっ、何して――」 「よく聞け! お前が、心の声が聞こえるせいで悩んでるって言うなら、俺の声以外聞かなきゃいいんだよ!」 「えっ……?」 「分かるんだろ。聞こえるんだろ、俺の気持ち!」  そう、祥の答えは―――― (……園山、お前が好きだ)  心の中で唱えた瞬間、心底驚いたような表情が目の前に現れた。 「う、嘘……」 「嘘なんかじゃない。お前が好きだ」  初めて園山の笑顔を見たときから、もうすでに祥の恋が始まっていたのだ。 無表情だった顔に、あの穏やかな笑みが咲いて。普段とは違う姿を見せられ、一目惚れしてしまったようだ
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