第六章

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 だがこの状態でいるのもだんだん照れ臭くなってきたので、祥は話題を変えることにした。 「あの、俺、園山に聞きたいことがいっぱいあるんだけど」  言うべきことは全て言った。後は、園山からの話を聴くだけだ。 「そうだね、全部話さなきゃ。でも、何から話そうか?」 「じゃあ、園山がこの学校に来るまでのこと教えて!」 「うん。長くなりそうだから、座ろう」  そう促されて腰を下ろすが、彼が意図していたものとは違ったらしい。 「俺はこっちのほうが好きだな」 「えっ、うわ!?」  園山は身体をこちら近づけてきたかと思うと、祥の身体をその足の間に挟むようにして座った。さら身体の前に腕を回され、背中を伝って相手の鼓動を感じるほど密着してしまう。 (な、なんかいきなり大胆だな……照れる) 「うん。ごめんね」 「あ、おまっ……」  ヘッドホンが地面に落ちたままだということを、すっかり忘れていた。  だが自分の気持ちを隠すつもりはない。少し恥ずかしいとは思ったが、そのまま続けてもらおうとすると園山はヘッドホンを拾い上げて再び身につける。 「やっぱり、これ付けてるよ」 「え、なんで?」 「無理やり声を聞くのは好きじゃないんだ」 「そっか……」  そして園山は自らの過去の話を始めた。
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