友情の亀裂と頼れる存在

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片方は県内トップの進学校、もうひとつは良くも悪くもない中間あたりに位置する学校らしい。 進学校のほうは今の俺の成績だとやめておけと言われる気がする。 入試でそれなりに本気を出せばいいだけのことだけど、入学してからのことを考えると勉強ばかりしている人が集まるのかもしれないと思ってしまう。 「遊貴、決まりそうか?」 「うん。金銭面と成績で考えると、今のとこはここかな。」 「まぁ、無難だろうな。高梨も同じあたりだろう。」 いっちゃんの言葉もあり、意外とあっさり志望校が決まってしまった。 私立を選ばない限りは成績の関係で半数がどっちかに分かれるのだろう。 けれど、普通科以外にも学校があるから、受験生はそれほど多くはないと思いたい。 まだ決定する時期には早いけれど、現時点では俺の中でほぼ決定になった。 「おっ!ここバスケあんじゃん。あー、でもあまり強くはないんか。」 「高梨の成績でいうと・・・少し遠くなっていいならバスケはこっちのほうが強いかもしれないな。」 そこは最初に俺が距離が少し遠くなるからと選択肢から外していた高校だった。 レベルも俺が選んだ志望校より少しだけ上らしい。 斡弘は悩んでいるようで考え込んでいるけれど、俺は親の負担を減らすために出来るだけお金のかからない公立を選ぼうと思っている。 「斡弘、バスケやりたいなら強いとこ選んでもいいんじゃないの?」 「うーん。やりたいんだけどさ、でも強いってことはプロ目指してるやつもいるんだよな。そう考えると俺はプロになりたいわけじゃなくて、どっちかっていったら強いほうがいいなって思うだけで。辛い練習になるんなら楽しいほうがいい。そこんとこどうなの?いっちゃん。」 「楽しいほうを優先するなら松永と同じとこだろうな。俺も部活に関しては詳しいわけじゃないからな。こっちは運動部そのものの練習が厳しいとここに入った教え子から聞いたくらいだ。」
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